<放置少女>歴史なんちゃって四方山話ー「治世の能臣・乱世の奸雄」の父と不遇の息子・曹植ー

きーるだじょ!!<放置少女>に登場する武将の史実やらなんやらを、超絶テキトーにご紹介するこのコーナー。やっとやっとの第二弾!今回は「治世の能臣、乱世の奸雄」と評された一代の英傑・曹操の息子、曹植のお話しです!

貯めた元宝を使ってやっとUR副将・曹植をゲトしました!曹操と曹丕は持ってませんので、ちょっと画像がうまいこと用意できないので、曹植さんの登用画面だけをお楽しみくださいませ。

<史実の曹植>

さて、曹植さんですが史実では「治世の能臣、乱世の奸雄」と評された、いわずと知れた諡号「武皇帝」、後世では魏の武帝、魏武とも称される、曹操の息子さんです(五男?)。

お兄さんが諡号「文皇帝」の曹丕さん。本当はさらにお兄さんの曹昴さんがいますが、荊州に攻め込んだときにお父さんの身代わりになって死んだとされています。曹植さんと曹丕さんはお母さんが同じ(卞氏)。同腹の兄弟なんですが、兄弟仲はとっても悪かったみたい。だって、お父さんが死んだあとに、お兄さんである曹丕さんは、弟・曹植をいろんなところに左遷します。とうとう病気で亡くなってしまう曹植さん。この二人はまるで「カインとアベル」みたい。この場合、誰に向けて争ったのかというと神様ではなく「権力」だったわけですが。

ちょっとかわいそうな曹植さんですが、14歳から戦にいき、父・曹操とともに様々な戦場を経験しています。と思いきや、後世では武将というよりもむしろ、「詩・賦」の作者・文学者として有名です。ご本人はそれをあまり重んじてはいなかったみたいです。兄・曹丕に僻地に飛ばされているときにもこんな詩を作っています。

吁嗟

吁嗟此轉蓬 吁嗟 此の転蓬 :ああ!! この転がる蓬(よもぎ)よ!

居世何獨然 世に居る 何ぞ独り然るや :この世で、なぜお前独りだけがこうなのだ

長去本根逝 長く本根を去りて逝き :元の根から遠く離され

夙夜無休閒 夙夜 休間無し :朝から晩まで、休む暇もない

東西經七陌 東西 七陌を経て :東西に7つの道を飛びすぎたかと思うと

南北越九阡 南北 九阡を越ゆ :南北に9つの道を飛び越える

卒遇囘風起 卒かに回風の起こるに遇い :突然、旋風に巻き込まれ

吹我入雲閒 我を吹きて雲間に入れり :雲の間に吹き上げられる

自謂終天路 自ら天路を終えんと謂いしに :このまま天の路の終わりまで行くかと思えば

忽然下沈淵 忽然として沈淵に下る :忽ち沈淵まで真っ逆様

驚飆接我出 驚飆 我を接えて出だす :今度は疾風に吹き上げられて

故歸彼中田 故より彼の中田に帰すなるや :元の田圃に帰れるのかと思いつつ

當南而更北 当に南すべくして更に北し :当然南に行くべきが、どんどん北に向かい

謂東而反西 東せんと謂うに反って西す :東に行くのかと思いきや、逆に西に行ってしまう

宕宕當何依 宕宕として当に何れにか依るべき :この広漠たる空間の、一体何処に身を寄せたらいいのか

忽亡而復存 忽ちに亡びて復た存す :ふっと消え失せたと思っても、相変らず生きている

飄颻周八澤 飄颻として八沢を周り :ひらひら飛んで八沢を周り

連翩歴五山 連翩として五山を歴たり :ふわふわ飛んで五山を巡ってきた

流轉無恆處 流転して恒の処無し :転がり流れ、定住の場所を持たない

誰知吾苦艱 誰か吾が苦艱を知らんや :この私の苦しみを、誰が分かってくれようか

願爲中林草 願わくは中林の草と為り :できるなら林の中の草となって

秋隨野火燔 秋 野火に随いて燔かれなん :秋に、野火で焼かれたい

糜滅豈不痛 糜滅するは 豈に痛ましからざらんや :焼け爛れて滅びることは、苦痛でないことはないが

願與株荄連 願わくは株荄と連ならん :兄弟たちと運命を共にするのが、私の願いなのだ

伊藤正文『曹植』(〈中国詩人選集〉3 岩波書店、1958年)より

詩や文学よりも、兄や甥たちとともに実社会での中央の政治に携わりたいと願った曹植ですが、その才能と能力ゆえに遠ざけられ警戒され、とうとう中央の舞台にあがることなく世を去りました。詩文の一句はすべて五つの漢字(「五言」)で作られている五言詩です。政治はできなかったけれど、その不遇、志が実現できない苦しみを詩文に託して「建安の七子」と並び称される「三曹」の一人として、文学史上には不朽の名声を残しました。

不遇ゆえに作品を残す、というのは古今東西共通であるようで、きーるが好きなニコロ・マッキャベリは、初めて政治と倫理・道徳を画然と分離した近代的な政治権力論である「君主論」や「ディスコルシ」という作品を残しました。かたや英雄の息子・貴公子である曹植と、フィレンツェ共和国の一書記官である貴族ですらないマッキャベリとでは身分のちがいがありますが、文芸や学問の世界で古典になるような作品を作るには、「不幸」でなければならないのは共通なのかも知れません。

詩と武将、どうにも場違いな感覚があるかも知れませんが、中国ではこの時代の前も後も、武将=政治家なり官僚(科挙に受かったエリート官僚)は詩文の教養は必須で、詩の一つも詠めないのでは「無教養」な人間として蔑まれました。このような教養がまったくなかった漢の武帝・劉邦は、エリート層からたびたび諌言を受けては反省しということを繰り返してますからね。広い中国を統治していくには、教養のあるエリート層=地方貴族層の支持を得なくてはならず、当然そのような教養と礼学を尊重する支配者を求めたわけですね。だとすると、曹植が兄である曹丕から危険視され疎まれたのもうなずける話です。

実のところ、父・曹操も兄・曹丕も「三曹」のうちにはいっています。曹氏が三人だから三曹なんですね。お父さんもお兄さんも実はいっぱしの文学者だったんですね。お父さんの曹操に至っては、有名な「孫子(呉孫子の兵法)」の注釈書も書いていますから、そっちの勉強もおさおさ怠りなくといった印象です。

<放置少女の中の曹植>

父・曹操は謀士、兄・曹丕は武将、そして弟・曹植は謀士です。曹操は傾城の戦い・群雄の戦いでめちゃくちゃ活躍できる性能、曹丕は敵のバフを剥がしてダメージ吸収するという地味にいやな性能。

さて曹植は?というと、

アクティブスキル1 「七歩の詩」 HP割合が最も低い敵1名に七回連続攻撃(240%)。さらに自分が与えた総ダメージの40%を味方のHP%が最も低い1名に回復させ、その味方のHP%が50%以上のときに2ターンの「暴走(攻撃力100%アップ、受けるダメージ20%増加)

アクティブスキル2 「揮毫斗墨」 敵6名に560%のダメージ。曹植がデバフ状態のときにダメージ倍

なんというか結構博打に近い性能です。パッシブスキルでは攻撃力、会心値、最大HP、命中値が増加します。単体では使い方は難しそうです。

ただし、曹植が絡む奥義で見ると大変優秀な奥義がそろっていて、きーるのように願いかえしを数回繰り返して元宝に余裕があって、育成にも当面は困らなそうだ、というラッキーな状態であれば、奥義狙いでとるのもありかなーと思います。また、曹植の奥義を集めると他の奥義で必要な副将も併せて集めることになって、そちらの奥義もとても優秀です。どうぞ一度調べてみてくださいな!

 

 

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