キールだじょ!!
キールの予想スタイル・その8は、「スピード指数作成&運用を通して『馬の能力』と『馬の適性』を把握しよう!」です。
「馬の能力」と「馬の適性」はどうしたらわかるの?
1月6日・中山競馬場と京都競馬場で始まった2018年の中央競馬。「今年は年間で単勝的中率20%越え、複勝的中率40%越え、回収率100%越えをめざすぞー!」とがんばっているキールです。
年頭でのキールの悩みは、「ある競馬場での成績・タイムを持つ馬を、別の競馬場で狙えるかどうか」ということをどう判断したらよいだろうか、ということでした。
このテーマについては、いろいろと書籍も出版されています。馬場の重さ・軽さ、坂のあるなし、コースや馬場状態への適性の有無と度合(そのコースが得意なのか不得意なのか、道悪の得意・不得意)というような観点から、馬の「適性」を中心にアプローチしていく方法がそのひとつです。
はっきりとこのコースはてんでダメとわかる馬には適用できるのですが、思わぬことが起こるのも競馬。馬の適性を把握したつもりでも、走らないだろうと思った馬が上位に来たり、ここは来るだろうと思った馬が二けた着順だったり。
キールの理解能力という大きな壁もありますが、「馬の適性」だけに注目する方法が自分には合わないのかなー、わからないのかなーと思っていた2017年でした。
特に、走ったことのないコースに出走する馬と経験済のコースに出走する馬が同時にいた場合に、この2頭をどんな基準で比較していったらいいのか、なかなかわからない状態でした。
キール自身は過去のレースに基づいて、その馬の「前に行ける気性」だったり、「テンの速さ」だったりをチェックして前残りのコースで前に行ける馬を買っているわけですが、それらの能力があるからといって勝てるとも限らない。特に「当該コースに経験がない馬」の能力を他の馬とどう比べればよいのか確信が持てませんでした。
そこで!思いついてしまったのがこの記事のタイトルにもある「スピード指数」でした。
「西田式スピード指数」
とある駅前のブックオフで美品の『革命理論・西田式スピード指数ー万馬券を獲る!驚異のタイム解析法』が200円で売られていたのを衝動買いしたことから、スピード指数作りを始めました。
やっぱりなんだかんだで、あるレースで1着になるのは「いちばん速く走った馬」です。その時計を出したという実績は、他のコースの別のレースを検討するときにどう評価できるのか?それを知りたくて、「西田式」でスピード指数を作ってみました。
結果としては、「『西田式』で本当に馬の能力や適性を判断するためには、有料で提供されている指数を利用せざるを得ない」という感じ。
「西田式」では単純に走破タイムで馬の能力を指数化するので、クラス差や馬場差を加味するとしてもスローペースのレースで指数は低くですぎます。その補正は有料で提供されていますが、「中身が分からないブラックボックスにお金は出せない」と思っているキールは購入する気が最初からありません。
また、そういう補正をしっかりかけない限り、あるレースに出走したそれぞれの馬の指数差というのは、これまた単純に走破タイムの着差なわけで、レースの内容が反映されるわけじゃありません。つまりあるレースの指数を計算すると、着差順に指数がならぶだけででっこみひっこみがなく、単純に時計がある馬を高く評価することになります。
でもそれだったら今までの自分の考え方と変わりないじゃないか!?「速い馬が勝つ」場面だけではない競馬をどう理解したらいいのか、また元のところに戻ってしまいました。
有料情報を購入すれば、自分で作った粗っぽい指数ではないので使えるのだろうと思いますが、「ブラックボックスは買わない」という方針に反するので、有料で利用と言う選択肢はサヨウナラでした。
現在でも新しいソフトウェアも開発されていますし、使ったことはないですが有用に利用されている方もいらっしゃるのだと思います。
元祖スピード指数開発者 ”アンドリュー・ベイヤー”は何を考えていたのか?
キールはさかのぼって調べることにしました。元祖スピード指数開発者、アンドリュー・ベイヤーさんは何をどう考えて指数を作ったのか?そしてそれをどう使っているのか?
1995年に日本語版が出版された『競馬探究の先端モード(” Beyer on Speed “)』の中で、ベイヤーさんはペース、トリップハンディキャッピング(馬場差やコース取りの差などの有利不利をチェックして予想する方法)、芝レースへの適用、オーストラリア競馬への適用などなど、盛りだくさんに苦悩されている様子がわかりました。
「元祖スピード指数」も異なる競馬場の異なるコース、異なる距離の馬をどう評価するかで悩んでいたんだなと思いひと安心。指数だけじゃなくて、やはりペースやトリップハンディキャッピングも取り入れないと実用的ではないんだなということが分かりました。
トリップハンディキャッピングについては、これまでどおりレースVTRやパトロールビデオを見返すことでなんとかなりそうだし、ペースについてはいつもやっているラップ分析で事足りそうです。そうすると、単純に時計の比較ではない、「馬の能力」を表現するような指数が必要だなと考えて、検索してみたら・・・。
見つけたんです!ちょうど良いモデルを!
【最強】競馬ブログランキング 2017年秋のG1予想王決定戦優勝の「あをに」さん
このホームページのリンクに貼らせていただいているページ「温故知福馬」の管理者「あをに」さんは、【最強】競馬ブログランキングで開催された「秋のG1予想王決定戦」で優勝された方です。
とてもシンプルな構成の「温故知福馬」には、さらっと「指数の概略について」というカテゴリーがあり、これまたシンプルに自作されている指数の説明があります。
すごくざっくりとした言い方&キールが理解した限りでの言い方になりますが、この指数は「すべてのレースを1200m戦としてタイムを換算し、テン3ハロンを縦軸に上がり3ハロンを横軸にして分布するタイムを単回帰分析し、その相関関数を基に指数を計算する」というやり方です。
どのくらいのテン3ハロン(距離によって「推計のテン3ハロン」になります)を出したら、どのくらいの上がり3ハロンになるか、ということを集計し、その差を基に指数として算出するわけです。
なんの有利不利もない状態ならば、テン3ハロンをブッ飛ばして速いタイムを出したら上がりの3ハロンは遅くなります。逆にテン3ハロンを抑えれば上がりの3ハロンは速いタイムがでます。その相関関係を基準に指数を計算するわけです。
もちろん実際の競馬では、内外の馬場差やコース形状による枠の有利不利、さらにコースの形状による前後ろの有利不利があるので、そこは指数には反映しません。
その計算された指数を土台にして、コース特性やコースの有利不利のなかでどんな指数を出してどんな競馬をしたのか、ということが評価できるわけです。
自分で「あをに」さんの指数を再現してみた結果、単純に勝ち馬が指数1位ではなく、負けた馬のほうが指数的には高く評価されたりして、テンー上がりをどんなふうに走ってきたかという内容が反映されているなと思える指数でした。そうなると今度はその指数が出た「内容」を考えながら、次走以降のねらい目をチェックすることができるようになりました。
指数そのものの説明は、これくらいにしたいと思います。「あをに」さんは今までJRA-VAN Data Lab.用のソフトを2本(「今日の傾向チェッカー」と「あしすと!複勝コロガシ」)を無償で提供されていますが、2018年現在新たに「福馬出馬表作成ツール」を公開されています。おそらく指数データは今後一定期間をあけて有償になるのかな、とも思いますのであまり詳細に書きすぎるとご迷惑がかかるかも知れないので^^;
スピード指数を計算してレースを振り返ると何が見えてくるのか?
キールは2018年の正月明けからずっと作業して、3月の頭にやっと全競馬場の全ダートコースの指数を計算できるようになりました。
その作業を通じていくつか見えてきたことがあります。
一般的にはローカル開催の方がレースや馬の能力レベルが低いと思われますので(特に3場開催時)、そういう認識からはちょっと乖離している現象です。
理由を推測するに、勝ち馬(または1~3着馬)のレベルが他の掲示板に載らない馬よりも強く、その差が大きいので全体の平均指数を持ち上げているのではないか、と思います。ローカルに回る馬の能力が、主要4場に比べて高いとは言えないですから。
そのためローカル開催の指数については「ローカル補正」をしています。
ダート限定ですが、比較的低めの指数の馬でも結果を出せるのは「逃げ馬」が多いです。反対に勝ちきるには高い指数を持っていないといけないのは「後ろからいく馬」。
ダートに限らず競馬は「前にいける馬」が強いというのは共通ですが、不利を受けることが極端に少ないことが多い「逃げ馬」は比較的低い指数でも、条件が整えば走ります。
逆に「後ろからいく馬」はメンバーと比較して抜けて高い指数を出していないと勝ちきれません。おそらく指数差にして5~6くらい高くないと、勝ちきるのは難しい感じです。
前にいく馬の例としては、2018年3月31日、ドバイのメイダン競馬場で開催される国際競走・G1のゴールデンシャヒーン(ダート1200m)の招待を受諾した、関西の森秀行厩舎のマテラスカイ。
マテラスカイは2018年1月8日京都12Rダート1200mで2着、同年1月21日中山10Rダート1200mで1着、同年2月17日京都10Rダート1200mを1着と、今年に入って急上昇しました。いずれも逃げて馬券圏内に。
それぞれのレースの時系列でテン3ハロンを並べると、京都34.3秒ー中山33.4秒ー京都34.8秒となります。同じように指数を並べると京都「69」-中山「76」-京都「81」でした。
中山ダート1200mのテン3ハロン33.4秒で勝ちきる能力もさることながら、京都ダート1200mで34秒台前半を出せていることが特に評価できます。京都ダートのテンは、スタート地点から3角に向かって緩やかな上り坂。ここでテンに34秒前半でハナを取りきる能力は侮れません。
年明け初戦の京都2着の指数「69」というのは出走した16頭中の中央値。平均して真ん中の指数です。それでも2着。続く中山と直近の京都は指数の順位としては第2位。それでもレース平均値からはそれぞれ6ポイント、10ポイントとだんだんとアップしています。
マテラスカイは今年明けの4歳ということで成長途上だということもありますが、やはり不利を受ける可能性の少ない「逃げ」という戦法で走っているため、指数が第1位でなくても勝ちきることが可能になったと言えると思います。
こういう馬がこんどは少し控える競馬ができるようになったら、かなり強くなりそうです。2番手あたりから5~6番手に控えて先行・好位の競馬ができるようになったら、重賞も狙えそうです。そういう意味でドバイ・ゴールデンシャヒーンへの出走は、マテラスカイにとっては海外遠征というリスクをとっても価値のある挑戦なのだと言えそうです。
スピード指数の自作のススメ
ということで、キールがいろんなところからアイデアをいただいて作ってきたスピード指数の効用について書いてきました。
おもしろそうだな、と思ってくださった方にはぜひご自分でスピード指数を作ってみることをオススメしたいと思います。
やはり自分で右往左往しながらあれこれ考えた指数(基本的なアイデアは全部先達からいただいていますが^^;)を作って、実際のレースにあてはめて予想したり、終わったレースを振り返ると、その馬・レース・枠の有利不利・馬場状態に対する理解が深まっていくと思います。
言葉で言っただけでは「そうかなー?」と疑えてしまうと思いますので、今年にはいって2か月の成績をご紹介します。
<2018年1月・キール本命馬成績>
開催替わりに苦手意識のあるキールですが、1月の成績はひどかったです^^;唯一の会心馬券は、1月20日京都ダート1400mすばるSのドライヴナイトの単複でした。
<2018年2月・キール本命馬成績>
がんばって芝のレースは1レースだけでがまんした2月。徐々に指数計算のデータもたまり始めた2月は、まさかの快進撃でした。マテラスカイが勝った2月17日京都10R橿原Sは2頭も買って、内1頭が3着ということで、勝ち馬の馬券は取り逃がしました^^;
ですが、中途半端に作成途上であっても、「指数」やその考え方を使うことで成績が上がったことを実感しています。単複なので地味ですが、複勝は2倍以上でとれているし、単勝を3つ当てることで回収率アップの効果が出ています。
みなさんもぜひ一度、スピード指数「作成」の作業に触れてみてください。キールは今後、指数も作り続けて予想の精度を上げつつ、もっとコースの特性や有利不利、馬場差などについて探求していきたいなっ!と思っています。
こんな感じでがんばろー!!最後までお読みいただきありがとうございました^^
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