キールの予想スタイル その2 逃げ馬・先行馬の前残りをねらおう!

キールだじょ!!

キールの予想スタイルその2は、

「逃げ馬・先行馬の前残りをねらおう!」です。

これはもはや「常識」(?)の部類に入ることだろうと思います。

平地・逃げ 勝率:17.1% 連対率:29.0% 複勝率:38.1% 単勝回収率:198% 複勝回収率:137%

平地・先行 勝率:12.7% 連対率:25.1% 複勝率:35.8% 単勝回収率:116% 複勝回収率:111%

平地・中団 勝率: 5.2% 連対率:11.3% 複勝率:18.4% 単勝回収率:58% 複勝回収率:67%

平地・後方 勝率: 1.7% 連対率: 3.9% 複勝率: 6.9% 単勝回収率:24% 複勝回収率:32%

平地・マクリ  勝率:18.7% 連対率:35.0% 複勝率:49.1% 単勝回収率:191% 複勝回収率:144%

 

上の数字は、2014年9月6日~2017年8月27日の3年間の全競馬場の脚質別成績です。このとおり、競馬は圧倒的に逃げ馬・先行馬が有利です。しかし、もしこのことを馬券を買っている全員が分かっていて、かつ前残りだけを狙っていたとしたら上記の数値、特に単勝回収率、複勝回収率はもっと低くなるはずだと思いませんか?

でもそうはなってない!ということは、事実として「逃げ先行馬が有利だ」ということがたとえ分かっていても、それに沿った馬券=前残りを狙った馬券を買っていない、ということです。

それはなぜなんでしょうか?

「逃げ先行馬の前残り」が有利とは言え、それよりも後ろからの競馬をした馬がまったく馬券に絡んでいないかというと、もちろんそんなことはありません。

中団・後方の馬もだいたい2回に1回の割合で馬券にからんでいます。なのになんで上の表のように中団・後方からの馬の回収率が悪いの?

後ろからいく馬の回収率の悪さの原因について、キールは、こんなふうに考えられると思っています。

 

勝ち方が強烈に印象に残る差し・追い込み馬が記憶にあるため、コースや相手関係、ペースを考慮しないまま差し・追い込み馬を買ってしまっているのではないか?

やはり「直線大外一気」で前をいく馬をごぼう抜きするというのは、見ていてテンションが上がるものですよね。それで勝とうものなら「この馬は強い!」ということになっていくと思います。

しかも、差し・追い込み届かなかったとしても「惜しかった」という気持ちが残って、次走は届くだろう・差し切ってくれるだろうという期待が膨らむのではないかなぁと、差し・追い込み馬を積極的には買わないキールは推測しています。

そして強烈に印象に残る勝ち方あるいは「負け方」をした馬というのは、次走も人気になります。ここ、重要!

 

たしかに、2回に1回は差し・追い込み馬は馬券に絡む。負けた場合でも「惜しかった」と評価された馬は次走以降も人気になる。だから、回収率が上がらない

おそらくこういう理由で差し・追い込み馬を買っても回収率があがらない、という現象が起きているのではないかと思っています。

ならば、ここは淡々と単複で逃げ馬・先行馬の前残り、しかも人気がそこまで沸騰していない馬を狙おう!というわけなんです。


ちょっと寄り道・・・

逃げ馬というのは、大きくわけると「逃げるしかない」という弱点を持った逃げ馬やスピード能力の違いで結果的に逃げちゃったほうが強い馬がいるように思います。

とっても古いところでは(キールも直接レースを見たわけではありません)、”殺人ラップ”とか”狂気の逃げ”といったおどろおどろしい形容詞で飾られた「カブラヤオー」という名馬がいます。

今を去ること40年余り前、1975年のクラシック戦線を戦い抜いたカブラヤオーは、生涯戦績13戦11勝、2着1回、着外(11着)1回という不滅の金字塔を打ち立てました。

1974年の東京ダート1200m新馬戦で2着に敗れたカブラヤオーは、中1週あけて東京芝1200m新馬戦で勝ち上がり、そこから弥生賞、皐月賞、NHK杯、ダービーを含むオープンの9戦をすべて逃げて勝ち抜きました(9連勝というのはいまだに破られていない記録だそうです)。

カブラヤオー引退後に明らかになったのは、カブラヤオーが幼少の時に他馬から蹴られて、それが元になって馬込みにはいるのを嫌うようになったということ。そのため、他馬に近づかず、かつ馬込みにもはいらないですむ「逃げ」の戦法だけが、カブラヤオーの尋常ではない競争能力を引き出すことができた、ということです。カブラヤオーはもともとの能力ももちろんありましたが、「逃げざるを得ない馬」でした。

ちょっと近いところでは、キールの永遠のアイドルホース「サイレンススズカ」です。

フケが出た(発情した)お母さんワキアに種付けする予定だったトニービンの当日の予定がつかなかったので、まだ産駒がデビューする前で評価が確定していなかったころのサンデーサイレンスがお父さんになったという出生の栗毛馬。

GⅠタイトルこそ宝塚記念1着だけですが、「大逃げ」戦法でレースを戦った「永遠の疾風・サイレンススズカ」は、スピード能力が高すぎて結果的に「逃げちゃったほうが強い馬」だったと思っています。

この2頭が馬券になったときはたいてい1番人気だったので、もし馬券を買えていてもレースは見送るか他の馬を買っていたと思いますが、レースVTRを見ていると「逃げ」というのはハマったときはむちゃくちゃ強いですね。

「逃げなくてはならない弱点」や「逃げた方が強い」馬たちは、能力がとびぬけているときはとにかく強い!それはレースで他の馬などから被る不利が最少になるからなんですね。能力がとびぬけていないときは、逃げて勝てるときというのはかなり条件が絞られてくると思います。例えば競りかけてくる馬がいなくて楽に逃げられたとか、あまりにも人気がなくて他の馬の騎手からも軽視されていたものだから「気持ちいぃ~」って逃げられたりとか、何かしら条件がそろわないと楽に逃げさせてはくれないです。

もう少し、器用なレースができる精神力や能力のほうが勝る馬ならば、「先行」という戦法が使えます。TARGETの分類では、レース中のどこかのコーナーで2~4番手にいた馬が先行馬なんですが、キールの予想上は2~5番手くらいまでは先行としてチェックしています。

ペースが遅ければハナに立つか2番手あたりで脚をタメ、ペースが早ければ先頭から少し距離をとって追走し、小回りコースなら3角~4角で先頭にせまり、大回りコースなら直線に向いてからハナを奪って勝ち上がる、みたいな勝ちパターンの馬です。

心情的には「逃げ馬」が大好きなキールですが、馬券のねらい目にしたいのはむしろ「先行馬」ですね。


本題にもどりますと^^;上で寄り道した「逃げ馬」や「先行馬」が負けた時って、差し・追い込み馬が負けたときと比べて「負けてなお強し」って思われないことのほうが多いんじゃないかと思います。「力が足りなかった」、「やっぱりただの逃げ馬だ」みたいな評価になって、次走レースに出てきたときに人気を落としてくれます。

2着とか3着とかに粘ったときにはなかなか人気は落ちないのですが、4着以降に落ちた時ってかなり評価を落とされています。負けたときの敗因がはっきりしていて、しかも「着差」も小さく(「着順」ではないです)、次走でてきたときに条件が好転していたら絶好のねらい目になるのに、です。

つまり、

逃げ・先行で負けて人気が落ちた馬の次走(または次走以降)を狙う!

ことが重要なんだと思います。

それではとにかくいついかなるときも「前走の逃げ先行馬」を狙えばいいのか、というとこれもそんなに単純な話ではなさそうです。

 

前走はなにかしらの不利やアクシデントがあって逃げられず、いつもより後方からの競馬になってしまったので、今走、「逃げ」たり「先行」しそうな馬を見つけたときが、勝負時、ということになりそうです。逆に「前走逃げた馬」はやめといたほうがよさそう。

そして、

逃げ・先行馬の勝率、連対率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率がもとから高いコース・距離のレースを狙う!

ことによって、さらに馬券になってくれる確率を高めていく、ということが勝負をする上では重要だと言えると思います。

この「逃げ・先行馬有利なコース」については、コースデータ編をのちのち作っていきたいと思います。

今回は、キールの予想スタイルその2として「逃げ・先行馬の前残りを狙う!」をお届けしました。「やっぱり競馬は大外一気の差しが決まるのが気持ちいいよね」というご意見もあると思いますが、あくまでもキールの競馬・馬券との向き合い方なので、そういう意見を否定するものではありません。

確かに「大外一気」はかっこいいです。2017年のダービーの3着アドミラブルの競馬はやっぱりかっこいいですから。ちなみに普段芝2400mは決して買わないキールは、2着スワーヴリチャードの単複を買ってました^^;ルメール騎手のマジックライドがなかったら、スワーヴリチャードが勝っていたと今でも信じてます。

競馬・馬券を楽しむ一つの考えとして、「逃げ・先行馬の前残りを狙う」ことをご理解していただければうれしいです。

この記事の内容はこの本の影響をとてもとても強く受けています。よかったら参考にしてみてください^^「絶対に負けたくない!」から始める馬券術 (競馬王馬券攻略本シリーズ)

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