キールだじょ!!
キールの予想スタイルその6は、「レースラップと馬の好走ラップを分析して狙う馬を見つけよう!」です。
今回ご紹介する方法は、キールも現在進行形で試行錯誤しているもので(まぁ全部試行錯誤なんですけれども^^;)完成度はそれほど高くないと思いますが、それでもかなり使えるかなぁと思っているので思い切ってご紹介してみたいと思います。
参考文献としては下にあげた3冊の書籍。
JRA全競馬場・コース完全解析 コースの鬼! 3rd Edition (競馬王 馬券攻略本シリーズ)
アメリカ競馬戦略9つの頂点―9人の全米トップ評論家による驚異の競馬最新理論
まず、「安井式ラップキャラ」ですが現在「ストライド競馬新聞」として有料予想を公開している、安井涼太さんが上梓した一冊。芝・ダートの各クラス、各競馬場別の「レースラップ」のキャラクターをチェックして、そのキャラクターに合致した「ラップキャラ」を持つ馬を馬券の中心にして買い目を決めていこうという手法です。
2冊目の「コースの鬼!」は、コース解説本の定番といっても良いのかなと思いますが、題名のとおりコース解説が詳細にはいってまして、一冊目の「レースラップ」がどんなコース形態に基づいているのか、コースの特徴がどのようにラップに現れるのかを理解するのに重宝しています。
そして!3冊目。この本がキモなんですけれど、この本の第3章「ペース分析」(トム・ブロハマー著)の内容に今、ハマっている最中なんです。
試みとして重賞に限ってですが、キールもいくつかのレースの「ラップ分析」と称してレース攻略の記事を書いてみましたが、単純にラップを並べるだけではどうにも馬券に結びつかずに悩んでいました。しかし、この3冊目にたどりついたところでちょっと光が見えてきたように思っています。
シンプルに前残りが発生しやすいコースで前に行ける馬を買っているけど、好走凡走のタイミングをつかみたいとずっと思っていました。そこで試しに安井式ラップキャラに準じて、単純に「レースラップキャラ」に合致した「ラップキャラ」を持っている馬を買っても勝てない。テン3ハロンー上がり3ハロンを眺めていても、各馬の違いや展開を読むのにつながる実感がない。そんなことを考えていたときに読んだ、第3章「ペース分析」。
どんな感じで毎レース検討しているのか、少しだけ舞台裏をご紹介します。
20171223 中山8R・舞浜特別・3歳上1000万下・ダート1200m
ここで注目なのは、表の真ん中へんにある” 1st Call “という欄。トム・ブロハマーさんの考え方に基づいています。その考え方を基に、ジム・クレイマーさんという人がテンの最初の2ハロン(約400m)の通過タイムを比べて、その時点での馬の並び順を想定し、どんなペースになっていくかということを数量化するというアイデアを出しました。
前提として馬の好む走法(ランニング・スタイル)を見つけた上で、レース中の各馬のポジションをテンのスピード能力によって数量的に捉えて(これが” 1st Call “)、当該レースのポジショニングがどの馬にとって有利に働き、勝てるかどうか判断するというもの。
“1st Call”とは、アメリカ競馬でラップを図る最初の地点らしく2ハロン目の時計のこと。アメリカ競馬ではペース指数というものもデイリー・レーシング・フォーム新聞に載っているらしく、それは”2nd Call”と呼ばれゴールまでの残り2ハロン地点の時計を基にしているのだそうな。
日本だと短距離は3ハロンの時計、長い距離だとちょうど5ハロン(約1000m地点)の時計がグリーンチャンネルでは黄色の表示でレース途中に出てくる。
だいたいその時表示される時計で、「ペースが速い・遅い」を判断しているけれど、その判断を下すのに、だいたいの隊列が落ち着くと考えられるテン2ハロン目の時計で判断しようというアイデアです。
1000m~1400mあたりではテン2ハロン目、1600m以上ではテン4ハロン目で判断することをこの本では推奨しています。
基本的に短距離戦を主戦場にしているキールは、このテン2ハロン目(”1st Call”)が超重要。たしかに、ラップグラフを作っているとわかるとおりテンの2ハロン目までで、最初にポジショニングが決定されているということがうなずけます。
テン2ハロン目までの時計はグラフにすると急激な下降線を描きます。これはレース開始直後のポジション取りのために早くなるのだと捉えるわけです(ダートでも芝でも、短距離でも中長距離でも、ペースに左右されるとはいえ基本的に「前」にいる馬が有利だから)。
表でわかるとおり、最も早い”1st Call”の数字を持っているスズカグラーテ。そして得意のスタイルは” P “。
表の右側に” E/P/S “という欄がありますが、これは各馬の好みの走法の略号。
” E ” = Early 日本で言うところの逃げ(一部は先行)。逃げ馬と逃げ馬から1馬身以内で先行争いをする馬。
” P ” = Presser 日本で言うところの先行・好位。逃げ馬を1馬身から2馬身あとからよどみなく追走して、レース中ずっとプレッシャーをかけるタイプの馬。
” S ” = Sustainted runner 日本で言うところの差し・追い込み馬。ゴール前での最後の伸び脚を温存するために、馬群の後方3番手くらいまでにポジショニングをする馬。
この舞浜特別のときのスズカグラーテのポジショニングは、5-5。最速の” 1st Call “の数字を持っているスズカグラーテは、走法ぴったりの好位に楽に付けた、ということになります。
逃げたのは” E “の略号がついた1番へルディン(” 1st Call “は23.1秒)。そしてレースの” 1st Call “は22.8秒です。結果から振り返るともっとも楽にポジションをとり、そして得意の形でレースを運べたスズカグラーテが1着。前にいった馬が伸び悩むところを後ろから差したビックリシタナモー(” S “)が追い込み、自身のペースよりも早かったけれど3着に逃げ粘ったヘルディンということになります。
安井式ラップキャラでも、3歳上1000万下ダート1200mのレースキャラは「中速スタミナ」。そして” 1st Call “で有利さがうかがえるスズカグラーテのラップキャラも「中速スタミナ」(3着ヘルディンも中速スタミナ)。
キールはこのレース、降級馬で人気のシェアードを買ってしまいハズしましたが、よくよく目を凝らしてみれば、もしシェアードが逃げていても(道中のポジションは2-3)、楽に逃げさせてはもらえなかったろうし、実際ハナを切ったヘルディンのほうが” 1st Call “の数字が良いわけですから、当該レースでの追走もシェアードにとっては楽なペースではなかったことが推測できます。
馬券はとれなかったけど、かなりイイセンいっている予想の方法をちょっと開拓できたような気がしているキールです。
これをある程度確立できたら、堂々と「Kir’s Pace Handicapping」として打ち出せそう!もちろん先人の皆様の肩の上に乗っかっての話ですが^^;
ご存知のとおりアメリカ競馬の主流はダート戦。ダートと言っても日本と違い「砂」ではなくて本当に「土」。日本の芝コースに芝を張っていないイメージ。まぁそうでなければサンデーサイレンスのように日本の芝に合う種牡馬が出てくるわけないですよね。
試してみた結果、この手法は芝でも使えるけど、日本においてもやはりダート向きの予想法だという印象です。とにかく前にいってポジションをとらないと勝ち負けに絡むことが難しいダートレースでこそ、逃げ先行ペースなのか、差し有利の展開になるのか読むのが、この手法を利用することでより正確にできそうな予感がします。
距離にもよりますが、芝だとやはり最後の脚を貯めたいので前半は手綱の引っ張り合いになってしまう傾向があると思います。よく言われている「スローペース症候群」です。だけどそんなのダートには関係ない!
いろいろ試してみて、勝負の土台にできそうな予想のスタイルをもっともっと磨いていきたいと思います!また発見があったら記事にしていきたいと思います。データをきちんと集めて整理・検証するためにダート主体の予想になるかもです。
こんな感じで来年もがんばろー!
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